この記事のポイント
- 2025年12月末(予定)まで公募される新事業進出補助金について、申請書で絶対に避けたいNG表現とその改善例を解説
- ものづくり補助金やIT導入補助金などでも共通する「抽象的・誇張的表現」に注意
- 初心者でもわかりやすいよう専門用語を補足しつつ、審査員視点の評価ポイントを明確に紹介
【はじめに】2025年までの公募が続く新事業進出補助金で採択を目指すには
近年、中小企業・個人事業主が事業拡大や新分野への進出を検討する際に注目されているのが新事業進出補助金です。2025年12月31日まで公募される見込みがあり、最大数百万円から数千万円の補助を受けながら新規性のある事業を始められるメリットがあります。
一方で、実際に申請書を作成するとなると、「どう書けば審査員に伝わるか」や「どのような表現を使わないほうが良いか」といった疑問にぶつかる方が多いです。特に初心者の方や時間のない現場担当者にとっては、申請書の書き方を学ぶ機会が限られているケースもあります。
当サイト(HOJOLAB|補助金・助成金 × AI活用メディア)では、これまでもIT導入補助金やものづくり補助金など、複数の補助金制度で採択を勝ち取るための情報を提供してきました。その中で頻繁に指摘されるのが、NG表現や曖昧な書き方によってせっかくの事業計画が十分に評価されないという事例です。審査員はいわゆる"専門家"ばかりとは限らず、曖昧な言葉や誇張的なフレーズは逆効果になり得ます。
ここでは、「新事業進出補助金」向けの申請書を例に、「採択率を下げるNG表現」を10個に絞って整理しました。これはものづくり補助金やIT導入補助金など他の補助金でも共通して指摘されるポイントでもあるので、幅広い場面で活かせるはずです。リライトの具体例と、その根拠をセットでお伝えするため、すぐに自社の書類へ応用できます。

新事業進出補助金とは?初心者向けの基礎知識
新事業進出補助金の概要
- 対象者:中小企業、小規模事業者、個人事業主など
- 支援内容:新製品・新サービス開発、新分野への事業転換、DX投資などへの経費補助
- 補助額・補助率:計画内容に応じて数百万円~数千万円規模
- 申請締切:年に数回の公募。2025年12月末まで複数回の募集が予想される
この補助金は、既存事業を抜本的に見直し、新たな技術や市場にチャレンジする中小企業を支援するのが大きな目的です。したがって、単なる設備更新や明確な根拠がない拡大では採択されにくく、「自社の強み×新市場(あるいは新技術)」を掛け合わせた戦略性が重要視されます。
他の補助金との共通点:ものづくり補助金・IT導入補助金
- ものづくり補助金:製造業だけでなく、多様な業種で"革新的な生産プロセス"を導入する場合に補助
- IT導入補助金:ソフトウェアやクラウドサービス導入などIT活用に特化した補助
これらも申請書の書き方や審査員の評価ポイントは「新規性・独自性」「実現可能性」「数字・データ根拠」といった要素が共通しています。今回解説するNG表現と改善例は、こうした他制度でも大いに参考になります。
なぜNG表現が採択率を下げるのか?
補助金申請に初挑戦の方は、「好きなように事業計画を書いて、熱意を伝えればいいのでは?」と思いがちです。もちろん熱意は大切ですが、審査で評価されるのは計画の具体性・再現性・数字的根拠です。抽象的なフレーズや誇張した文言は審査員に「この会社、本当に大丈夫かな?」という不安を与えかねません。
特に「新事業進出補助金」の場合、最終的に多額の補助金が交付されるかがかかっています。国や自治体としては、成功確度が高く、かつ公共性があり、地域経済に良い影響を与える計画を優先的に採択したいわけです。そこに「なんとなく書いた根性論」「ターゲットがぼやけた計画」「世界初だと謳うだけの浮ついた主張」などが並ぶと、どうしても採択率が下がってしまいます。
しかし逆にいえば、ポイントを押さえた言い回しにリライトするだけで、審査員からの評価は大きく変わります。以下では、実際によくあるNGワード・NG表現を10個紹介し、さらにOK表現への言い換え例を添えます。リライトの際にぜひ参考にしてください。
【注目】採択率を下げるNG表現とその改善例10選
ここからが本題です。多くの申請書を見てきた補助金コンサルタントや中小企業支援の専門家が共通して口にする「気をつけるべきワード・フレーズ」を10個挙げます。新事業進出補助金だけでなく、IT導入補助金やものづくり補助金などさまざまな補助金に通ずる注意点です。
1. 漠然とした目標:「売上向上を目指す」
- NG表現
「売上向上を目指す」「営業力を強化する」など、ゴールがあいまいな書き方 - 審査員コメント 「目標が漠然としており、どれくらい成長するのか判断できません。実現可能性を評価できないため、事業計画として弱い印象です。」
- 改善したOK表現
「2025年度末までに、自社製品Aの売上高を前年比20%増加させる」
「新規顧客を年間100社獲得し、売上高を1億円規模へと拡大する」 - OKの理由
- SMARTな目標設定(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)を意識
- 具体的な数値(20%増)や期限を入れることで計画性・再現性をアピール
- 審査員は「なぜ20%が根拠か」をチェックしやすく、説得力が高まる
2. 抽象的な施策:「業務効率化を図る」
- NG表現
「コストを削減する」「業務を効率化する」「生産性を高める」だけで終わっている - 審査員コメント 「どうやって効率化するのかが分からない。新システム導入なのか、人員再配置なのか不明で、効果を測定できません。」
- 改善したOK表現
「新システム導入により、製造ラインの待ち時間を30%短縮し、人件費を年間500万円削減する」 - OKの理由
- 「手段」+「効果」+「数値目標」をセットで示す
- 審査員は実行プロセスと成果イメージを結びつけ、評価しやすくなる
- 後ほど実施スケジュール(例:導入時期、検証時期)も書いておくとさらにGood
3. 誇張的なフレーズ:「世界初の技術で〇〇を実現」
- NG表現
「世界初」「画期的」「誰もやっていない唯一の技術」など、根拠不十分なまま盛り込む - 審査員コメント 「本当に世界初かどうか裏付けが見当たりません。特許情報や競合比較がなく、ただのキャッチコピーに見えます。」
- 改善したOK表現
「既存特許が存在しない新技術(特許出願中)をベースに開発し、国内で類例のない装置を実用化する」 - OKの理由
- 「唯一」「世界初」と書くなら、必ず特許出願や実用新案、学会発表などエビデンスを添える
- 単に「世界初」と書くより「国内外の競合製品と比較した結果、当社技術は〇〇が優位」と説明するとより説得力が増す
4. 過度に楽観的な断言:「この事業は成功間違いなし」
- NG表現
「必ず成功する」「絶対に需要がある」などの断定表現 - 審査員コメント 「リスク分析や不確定要素の検討が感じられず、計画が絵空事に見えてしまいます。」
- 改善したOK表現
「事前の市場調査で80%の利用意向を確認しており、需要見込みは高い。ただし調査範囲外の消費者層へ拡大する場合は追加プロモーションが必要と考えています」 - OKの理由
- 成功を主張するなら、マーケットリサーチやユーザーアンケート、競合比較などの「根拠」を明示
- リスクや課題に対しての対応策も書いておくと、より現実的な事業計画として評価される
5. ターゲットが漠然:「老若男女に愛されるカフェにします」
- NG表現
「幅広い層をターゲットとする」「誰でも利用できるサービスです」 - 審査員コメント 「具体的にどの客層を狙っているのか不明。結果的に市場セグメントが曖昧で、成功確度を判断しにくい。」
- 改善したOK表現
「30~40代の子育て世代をメインターゲットとし、キッズスペースや低アレルゲンメニューを強化する」 - OKの理由
- ターゲットを明確化し、そのニーズに合ったサービス内容を示す
- 審査員は「なぜその層なのか」を納得できる裏付け(地域の人口構成、消費傾向など)があると一層評価しやすい
6. 根性論だけ:「全力で頑張ります!」
- NG表現
「真摯に取り組む」「一丸となって努力する」など、意気込みだけ - 審査員コメント 「努力する気持ちは伝わりますが、具体的な施策や体制が示されない限り評価につなげられません。」
- 改善したOK表現
「プロジェクトチームを編成し、月次PDCAを実施。売上進捗率を数値化し、対策を随時アップデートする体制」 - OKの理由
- 努力ではなく体制やプロセスをしっかり書く
- 「どの部署がどう動き、どんな指標でチェックし、どう改善するのか」を説明すれば、行動計画として評価される
7. 業界俗語・専門用語が多い:「ピーク時はバッシングを強化」
- NG表現
「バッシング」「WIP管理」「シグナルチェーン」など、業界特有の専門用語をそのまま使用 - 審査員コメント 「用語の意味が不明で、一般的な審査員には理解しづらい。適切な説明がないと読み飛ばされる可能性が高い。」
- 改善したOK表現
「ピーク時間帯にテーブル片付け専任スタッフを配置し、客席の回転率を高める(※外食産業で『バッシング』と呼ばれる清掃作業)」 - OKの理由
- 用語を使う場合は括弧書きで説明するなど、専門外の人への配慮が必須
- 「審査員全員が業界人とは限らない」という前提を常に忘れずに
8. 「~等」でぼやかす:「SNS等で販路拡大」
- NG表現
「SNS等で宣伝する」「イベント等を活用する」など「~等」で曖昧にしてしまう - 審査員コメント 「具体的にどのSNSなのか、どんなイベントなのかを示してください。計画の実行イメージが持てません。」
- 改善したOK表現
「Instagram公式アカウントでフォロワー1万人獲得を目標としたキャンペーンを実施し、地域フェアで試飲会を行い新規顧客100名の獲得を狙う」 - OKの理由
- 具体的なチャネル(Instagram、Facebookなど)やイベント名、目標フォロワー数を設定
- 審査員はマーケティング戦略の詳細を把握しやすく、説得力が増す
9. 根拠のない需要予測:「〇〇のニーズは今後ますます高まる」
- NG表現
「これからは〇〇がトレンド」「ニーズは十分あると考えられる」など、主観的な推測 - 審査員コメント 「データや調査結果が示されていません。希望的観測だけでは採択を後押しする根拠に乏しいです。」
- 改善したOK表現
「第三者調査機関によるレポートで、当該市場は年率5%成長と予測されています。これにより需要拡大が見込まれます」 - OKの理由
- 客観的データ(公的統計、市場調査レポートなど)を引用する
- 市場規模や将来成長率を示せば、審査員も「この事業が伸びる余地」を納得できる
10. 数字のない楽観的収益予測:「本事業で売上が大幅に増加する見込み」
- NG表現
「大きな売上増」「大幅に利益を拡大」「短期間で倍増」など、単に"多い"と表現するだけ - 審査員コメント 「いくら増加するのか、その根拠は? 数字がないと計画の実現性を判断できません。」
- 改善したOK表現
「初年度は売上高1.5倍(3億円)を目指す。既存顧客へのアップセル施策により、客単価平均×1.2を想定」 - OKの理由
- 売上目標、根拠となる施策、実施プロセスをセットで示す
- 審査員は数字の裏づけを確認しやすく、計画が現実的かどうかを判断しやすい
【補足】NG表現を避けるための3つのポイント
1. 数字・データを活用する
計画書内で使う数字は、客観的データであればあるほど評価が高まります。たとえば:
- 公的な統計データ(総務省統計局、中小企業庁など)
- 市場調査会社のレポート(富士経済、矢野経済研究所など)
- 自社顧客アンケートのサンプルサイズや回答率
数字を明記し、その出典を添えることで審査員は「この会社はしっかり調べている」と認識し、計画の信頼度が上がります。
2. 業界外の人にも通じる説明を
審査員が全員その業界のプロフェッショナルとは限りません。専門用語を多用しない、使う場合は解説付きなど、読み手への配慮が不可欠です。
- 専門用語:括弧書きで説明を加える
- 略語:初出時に正式名称を書く
- 社内用語:なるべく一般的な言葉に置換する
3. リスクと課題を示し、対策も書く
「絶対に成功する」「リスクはない」と断言するのはかえって不安材料。むしろ課題を把握し、その対処法を用意している計画のほうが現実味があり、審査員に安心感を与えます。
- リスク:主な競合製品の登場、技術開発の遅れ、費用超過など
- 対応策:実証実験のスケジュール、費用管理システムの導入、外部専門家の活用など
【具体解説】NG表現を直すと採択率がどう変わるのか?
例えば、以下のような事業計画書があったとします。
(修正前)
「私たちは世界初の革新的技術を用いて誰もが喜ぶカフェを開きます。頑張ってSNS等で販路拡大し、売上も大幅に伸ばせる見込みです。根拠はありませんが必ず成功すると思います。」
この文章には、漠然・誇張・根拠なし・ターゲット不明など、複数のNG要素が含まれています。審査員視点で見ると、「世界初?具体的にどこが?」「誰でも喜ぶって本当?」「売上どれくらい?」「根拠なく成功と書かれても…」と疑問だらけです。
(修正後)
「当社独自の特許出願済み技術(特許番号 XXXXX)に基づき、30~40代子育て世代を主要ターゲットとした地域密着型カフェを開業します。SNS活用としてはInstagramキャンペーンを実施し、フォロワー5,000人を目指します。これにより初年度売上高を1,000万円規模へ引き上げる計画で、既に隣接エリアで同種のモデル店を運営する企業との提携により検証済みです。」
こちらは、ターゲット設定(30~40代の子育て世代)、特許技術がある旨の裏付け(特許出願番号)、「Instagramフォロワー5,000人」「初年度売上1,000万円」のように数字目標をはっきり書いています。また「隣接エリアのモデル店での検証」という他社事例の実績も示しており、具体性と信頼性が一気に増しています。
結果として、審査員は「この計画はどのように実行されるのかイメージしやすく、再現性が高そうだ」と評価し、採択率アップにつながります。
申請スケジュールの例:いつ、どのように書類を出すか
新事業進出補助金の公募は年に複数回行われるケースが多く、2025年12月末まで継続的にチャンスがあると予想されています。ただし、締切は各回ごとに設定されるため、必ず公式サイトや公募要領で確認してください。
一般的な流れは以下のようになります。
時期(例) | タスク内容 |
---|---|
公募開始~1か月前 | 事業計画の策定、NG表現のチェック、必要書類の準備 |
公募締切1か月前 | 申請書ドラフト作成、専門家や商工会議所のアドバイスを受ける |
公募締切 | オンラインまたは郵送で申請書類を提出 |
審査・採択発表 | 採択可否が通知される。追加ヒアリングなどが行われる場合も |
事業実施 | 実際に事業をスタートし、経費支出・プロジェクト進行 |
補助金交付申請・確定 | 事業完了後に実績報告し、補助金が確定・支給される |
申請書を作成する際は、まずは公募要領を熟読し、補助対象経費や対象となる事業内容をしっかり確認してください。書類のフォーマットが指定される場合が多いため、そこに沿って必要事項を埋めていく形です。NG表現のリライトは最終段階の仕上げとしてもよいですが、できるだけ早い段階で気をつけておくのが望ましいでしょう。
Q&A:新事業進出補助金の申請書作成でよくある疑問
Q1. ものづくり補助金やIT導入補助金にも同じようにNG表現は影響しますか?
A. はい、基本的には同様に影響します。どの補助金でも審査員は「計画の具体性・実現性・数字的根拠」をチェックするため、漠然・誇張・根拠なしといった表現はマイナス評価になりやすいです。
Q2. 数値目標を入れたいですが、正確な数字がまだ分かりません。どうしたらいいですか?
A. 完璧な確度の数字を出す必要はなく、合理的な根拠(類似事例のデータや市場調査結果)があれば十分です。完全に空想ではなく、ある程度の算定根拠を示すことが重要です。後で計画の実施過程で微調整することは問題ありません。
Q3. リスクや課題を書くとネガティブに思われないでしょうか?
A. むしろ、リスクを書かないほうが「考えが甘い」と思われてしまいます。補助金は公的資金を使うため、実行可能性と持続性が重視されます。リスクがあっても対策案が明確なら、計画として現実味が増すので評価が高まる傾向にあります。
Q4. 専門用語をまったく使わないほうがよいのですか?
A. 使わざるを得ない場合は必ず補足説明をつけるか、わかりやすい一般用語に置き換えるのがおすすめです。専門用語そのものを否定するわけではありませんが、読み手が理解できないまま流れてしまうと評価になりません。
Q5. キャッチーなフレーズを使わないとインパクトがないのでは?
A. 過度に派手なフレーズよりも、具体的な数値・裏付けのほうが審査員に刺さります。インパクトを与えるなら「他社にはない技術・特許を持っている」「導入でコストが50%減になる」など、事実ベースで表現するほうが効果的です。
まとめ:具体性・根拠・ターゲット設定が合言葉
最後に、この記事の要点を整理しておきましょう。
- 曖昧・誇張・根拠不足な表現(NGワード)があると、審査員に「実現性が低い」「この会社、大丈夫?」と思われてしまう
- 数字・データ・具体的施策を盛り込んだOK表現にリライトすれば、計画の説得力が一気に高まり、採択率アップにつながる
- 業界外の人にも伝わる書き方を意識し、専門用語は必要最小限に。使う場合は括弧書きなどで説明を
- 「新事業進出補助金」「ものづくり補助金」「IT導入補助金」など、どの補助金でも審査の基本軸は似ている。NG表現を避けるノウハウは多方面で活用可能
特に「自社の強みとターゲット」、「具体的な数値目標」、「リスクと対策」などは必須項目です。補助金申請書は「自己PRの場」ではありますが、単なる熱意アピールやキャッチコピーでは十分に伝わりません。審査員が「この事業は成功の蓋然性が高く、補助金を投じるだけの価値がある」と納得するだけの具体性と根拠を示すことが重要です。
【次のアクション】リライトして、申請書をブラッシュアップしよう
- まずは公募要領を再確認:提出様式や字数制限、必要書類をチェック
- 下書き段階でNG表現を洗い出す:曖昧・誇張・根拠なしのフレーズがないか要注意
- 改善例を参考にリライト:数字や具体的施策を盛り込み、ターゲットを明確化
- 専門家や同僚の目でダブルチェック:第三者から見た可読性や根拠の妥当性を検証
- 提出前にスケジュール余裕を持つ:締切ギリギリだと修正が十分にできない場合が多い
特に「数字やデータを加えるだけで本当にそんなに違うのか」と思う方もいるかもしれません。しかし、多くの審査員が口を揃えて言うのは、「数字があると一気に説得力が上がる」ということ。これは補助金審査に限らず、融資審査や投資家プレゼンなど、あらゆるビジネスの場面で共通する鉄則でもあります。
新事業進出補助金は、2025年12月末まで(複数回にわたって)公募される見込みで、大きなチャンスが続きます。もし今回落ちても、書き方を改善して再チャレンジする道も開けています。NG表現からOK表現へ――本記事で解説したポイントを活かし、採択率をアップさせる書類づくりに取り組んでみてください。
皆様の申請書がより具体性・説得力を増し、無事に採択されることを願っています。補助金を有効活用し、事業を加速させていきましょう!
参考:記事中のNG表現10選まとめ表
以下に、本文中で紹介したNG表現と改善例を一覧表にして再掲します。リライト時にサッと確認できるよう、チェックリスト的にご活用ください。
NG表現 | 審査員コメント例 | 改善例 |
---|---|---|
「売上向上を目指す」 | 「目標が漠然として判断できない」 | 「2025年度末までに売上高を前年比20%増」 |
「業務効率化を図る」 | 「具体策がなく、効果を測定しにくい」 | 「新システム導入で待ち時間30%短縮、人件費○○万円削減」 |
「世界初の技術で〇〇を実現」 | 「根拠が示されていない誇張」 | 「特許出願中の新技術で〇〇を実現(既存製品と比較データあり)」 |
「この事業は成功間違いなし」 | 「リスクや根拠がなく、計画が絵空事に見える」 | 「市場調査で80%の利用意向。需要が高いが、追加プロモーションが課題」 |
「老若男女に愛されるカフェにします」 | 「ターゲットが広すぎ、焦点が定まらない」 | 「30~40代子育て世代を主要ターゲットとし、キッズスペースを設置」 |
「全力で頑張ります!」 | 「意気込みだけで具体的施策がない」 | 「営業チーム編成と月次PDCA導入で売上進捗をモニタリング」 |
「ピーク時はバッシングを強化」 | 「業界俗語が多く、一般審査員に伝わらない」 | 「ピーク時にテーブル清掃スタッフを増やし、席回転率を向上(『バッシング』の説明を補足)」 |
「SNS等で販路拡大」 | 「~等と書かれると、何をどのように実施するのか不明」 | 「Instagramキャンペーンと地域イベント参加で新規顧客100名獲得」 |
「〇〇のニーズは今後ますます高まる」 | 「客観的データがなく、希望的観測に見える」 | 「第三者調査で年率5%成長市場と判明。これにより需要拡大が見込まれる」 |
「売上が大幅に増加する見込み」 | 「数値がないと実現可能性が不透明」 | 「初年度売上1.5倍(3億円)を狙う。アップセル施策で客単価20%UPを想定」 |
これらを踏まえた上で、数字・データ・ターゲット設定・リスク管理の4要素を明確に書くことが、補助金審査で勝ち抜く必須条件と言えます。初心者の方は最初は大変かもしれませんが、一度コツをつかめば、どんな補助金でも応用しやすくなるでしょう。
当サイトでは今後も、新事業進出補助金をはじめとする各種補助金の最新情報や書類作成のコツを発信していきます。引き続きチェックいただき、2025年の公募期限までにぜひ採択を勝ち取りましょう!