
生成AIの最新モデル GPT‑o3 を組み込み、社内マニュアルやFAQを自動生成するサービスを開発したい――そんな中小企業が直面するのが「開発委託費・API利用料・GPU購入費」という初期コストです。本記事では ①4大補助金の適用範囲を比較 ②GPT‑o3 APIとGPU費用を制度別に経費区分 ③革新性の書き方テンプレート ④失敗しない8ステップ☑ を網羅し、資金面の不安を解消します。読めば「どの制度で、いつ、何を準備すべきか」が一目でわかります。
- GPUハード購入の可否を制度別に整理
- API利用料を14 か月/24 か月分まで補助する方法を解説
- 革新性を審査員に刺さるPREP法で書けるテンプレ付き
- 8ステップ☑と年次カレンダーで申請準備を逆算
補助金別 開発費・API利用料・GPU費用の適用マトリクス
制度 | 開発委託費 | GPT‑o3 API/SaaS利用料 | GPUサーバー購入 | 補助上限・補助率 | 申請スケジュール(2025) |
---|---|---|---|---|---|
新事業進出補助金 | 技術導入費・外注費として全額対象 | クラウド利用料枠で14 か月分まで | 対象外(クラウドGPUは可) | 7,000万(特例9,000万)/1/2(小規模2/3) | 第1回:4/22〜7/10締切、採択10月 |
省力化投資補助金(一般型) | 外注費+専門家経費 合計500万上限 | クラウド利用料は機械装置費とセット | 機械装置費:単価50万以上・新品 | 1億円/1/2(特例2/3) | 第3回:6/27公募〜8月下旬締切 |
IT導入補助金(通常枠) | 役務費として上限200万 | SaaS/API 24 か月分まで | 原則不可(AIカメラ等のみ可) | 450万/1/2(特例3/4〜4/5) | 1‑3次:7/18締切・連携枠1次:8/20 |
ものづくり補助金 | 外注費+専門家経費=補助対象経費の1/2以内 | クラウド利用料は期間制限なし | 機械装置費で可(H100×4基も可) | 4,000万/1/2(小規模2/3) | 第20次:7/1電子申請→7/25締切 |
GPT‑o3 APIコストを補助対象にする方法
API料金の目安
- 入力トークン:500k/月 × $0.001 = $0.50
- 出力トークン:500k/月 × $0.002 = $1.00
- 月額計 $1.50 ≒ 約240円($=160円換算)
制度別の補助可能期間
制度 | 補助対象期間 | 企業負担(補助率1/2の場合) |
---|---|---|
新事業進出 | 14 か月 | 240円×14×0.5 = 1,680円 |
IT導入 | 24 か月 | 240円×24×0.5 = 2,880円 |
ポイント:API課金は月額が小さいため、「クラウド利用料明細」を交付申請時に一括計上し、事後は請求書で精算すると管理が楽です。
GPUサーバー投資の要件と構成例
構成 | 価格目安 | 適合制度 | 留意点 |
---|---|---|---|
RTX 6000 Ada ×2 | 約480万円 | ものづくり/省力化 | 推論主体・軽微学習向け |
L40S ×4 | 約1,200万円 | ものづくり/省力化 | 学習+推論両立、装置費比率70%推奨 |
H100 ×4 | 約3,200万円 | ものづくり/省力化 | 大規模FT、輸入LT8‑12週 |
共通要件
- 単価50万円以上・新品
- 補助事業遂行に不可欠(事業計画に型番・用途を明記)
- 見積3社比較で価格妥当性を示す(省力化・ものづくり必須)
申請書の革新性を高得点化するPREPテンプレ
結論:GPT‑o3でマニュアル生成時間を85%削減
理由:生成AI+自社ナレッジFTで更新コストを大幅低減
具体例:PoCでFAQ200本を自動生成、正答率93%、競合比応答速度4.2倍
再結論:オンプレGPU×独自Embeddingで再現性と拡張性を確保、3年で付加価値+8,700万円
この構成を 新事業進出「事業計画書」2‑③革新性 の回答枠にそのまま当て込むと、審査の加点が狙えます。 IT導入・省力化・ものづくりでも「革新性」「市場性」項目が共通なので転用可能です。
失敗しない申請 8ステップチェックリスト
☑ 制度選定:目的と金額に合致する補助金を決定
☑ 要件確認:賃上げ・付加価値・GビズIDを洗い出す
☑ パートナー選定:SIer/クラウド/GPUベンダーから3社相見積
☑ 事業計画作成:KPIと賃上げシミュレーションを数値で示す
☑ 証憑準備:見積・仕様書・決算書・賃金台帳を整理
☑ 電子申請テスト:1週間前にe‑申請入力完了
☑ 社内承認:代表者印・議事録を並行取得
☑ 事後管理計画:実績報告と効果測定方法を初期設定
2025年 補助金カレンダー(四半期)
Q | 新事業進出 | 省力化投資 | IT導入 | ものづくり |
---|---|---|---|---|
Q1 | — | — | 制度準備/3月末登録開始 | 18次採択結果 |
Q2 | 4/22公募開始 | — | 交付申請1‑2次受付 | 20次公募開始 |
Q3 | 7/10締切→10月採択 | 6/27〜8月下旬締切 | 7/18通常枠・8/20連携枠 | 7/1電子申請→7/25締切 |
Q4 | 交付手続 | 第4回公募見込 | 追加公募想定 | 10月下旬採択発表 |
FAQ
Q1. GPT‑o3モデルをクラウドGPUで動かす場合も補助対象?
A. 新事業進出補助金のクラウド利用料枠で14 か月分まで補助されます。
Q2. GPUサーバーは中古品でも良い?
A. 4制度とも「新品」要件が明記されています。中古・レンタルは不可です。
Q3. 外注費と自社エンジニア人件費を分けて計上できる?
A. 外注費のみ補助対象。自社人件費は対象外のため、工数は参考値として事業計画書に書くだけにします。
Q4. IT導入補助金の役務費200万円で何をカバーすべき?
A. 導入設定、マニュアル作成、操作研修などユーザー教育に関わる役務を優先しましょう。
Q5. 賃上げ要件の達成が難しい場合は?
A. 省力化投資補助金は賃上げ要件が比較的緩やかです。KPIシミュレーションで賃上げ原資を確保できる制度を選びます。
まとめ
GPT‑o3 を活用したマニュアル・FAQ自動生成サービスは、開発委託費・API利用料・GPUサーバーという3大コストを伴いますが、2025年度の「新事業進出」「省力化投資」「IT導入」「ものづくり」の4大補助金を使えば最大1億円まで補助を得られます。APIは14〜24 か月分まで、GPUは単価50万円以上の新品が対象。革新性はPREP法で簡潔に示し、8ステップ☑で準備を漏れなく進めれば採択確度と開発スピードを同時に高められます。
次にやるべきアクション
- GPT‑o3 API使用量を試算し、クラウド利用料枠に一括計上
- GPU調達の見積を3社取得し、ものづくり or 省力化で申請準備
- 事業計画書の革新性欄をPREPテンプレでドラフト作成
- 賃上げ・付加価値シミュレーションをExcelで数値化
- e‑申請システムに仮入力し、提出書類の不足を1週間前に洗い出す