2025年新事業進出補助金で最大9,000万円|採択率UPの秘訣を解説

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2025年新事業進出補助金で最大9,000万円|採択率UPの秘訣を解説

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~要件・スケジュール・他制度との比較・申請書作成のポイントまで網羅~

この記事のポイント(2025年5月14日時点)

  • 新事業進出補助金とは何か?対象要件や補助額・補助率など基本情報を整理
  • 2025年第一回公募のスケジュールや今後の見通しをわかりやすく紹介
  • 事業再構築補助金との違いや採択率アップに向けた書類作成のコツを具体的に解説

はじめに:2025年の「新事業進出補助金」で大きく飛躍するチャンス

2025年に新設された「新事業進出補助金」は、中小企業・小規模事業者が既存事業とは異なる新たな分野へ進出し、付加価値の高い製品やサービスを展開する際に活用できる制度です。従来の「事業再構築補助金」に代わる形でスタートし、補助率1/2・最大で9,000万円の補助を受けられる可能性があります。

この記事では、新事業進出補助金の対象要件や補助額・スケジュール、そして採択されるための具体的ポイントを初心者にも分かりやすく解説します。「自分の企業が補助金の対象か? どの程度お得になるのか?」といった疑問に答えつつ、申請時の注意点や他の補助金(事業再構築補助金)との比較も取り上げます。
公募開始はすでに始まっていますが、年度内に複数回実施される可能性もあるため、ぜひ早めに情報を収集して活用を検討してみてください。

1. 新事業進出補助金とは? 主な制度概要

1-1. 補助対象事業・要件と基本的な仕組み

「新事業進出補助金」は、日本国内の中小企業や小規模事業者が、これまでに扱ってこなかった新しい製品やサービスを開発・提供し、新たな顧客層へアプローチするための投資を支援する制度です。具体的には、以下の特徴があります。

  • 既存事業と明確に異なる“新規分野”へ進出していること
  • 補助事業終了後3~5年の事業計画期間で、新事業の売上高または付加価値額が現状の1/10以上に達する見込み
  • 付加価値額を年平均4%以上増やす成長戦略
  • 賃上げ要件(給与総額年平均+2.5%以上等)や、事業所内最低賃金の一定水準(地域最低賃金+30円以上)を満たす
  • 一般事業主行動計画(ワークライフバランス推進)の策定・公表

また、申請にあたっては

  • GビズIDプライムによる電子申請
  • 認定支援機関または金融機関による事業計画書の内容確認
  • 交付決定後の計画変更や財産処分には制限がある
    といった点にも注意が必要です。

用語解説:付加価値額
売上高から中間投入(材料費等)を除き、人件費や減価償却費を加えた指標です。企業が生み出した付加価値の大きさを測るもので、本補助金ではこの付加価値額の年平均増加率(4%以上)を達成するよう事業計画を作成する必要があります。

1-2. 補助額や補助率、対象経費のポイント

本補助金の大きな魅力は、補助金額の上限が最大で9,000万円(特例適用)にもなる点です。ただし、補助率は一律で1/2(50%)となっており、残りの事業費は自己負担か借入等で賄う必要があります。

  • 補助上限額:従業員規模で2,500万~7,000万円(大幅賃上げ特例で最大9,000万円)
  • 下限額:750万円
  • 補助率:1/2(50%)

対象経費

補助の対象となる費目は幅広く、設備導入建物費広告宣伝費専門家費用など多岐にわたります。ただし、本事業の要件として「建物費」または「機械装置・システム構築費」のどちらかは必ず含める必要がある点に注意しましょう。具体的には以下のような費目が典型的です。

  • 機械装置・システム構築費:設備導入費、リース料、ソフトウェア開発費など
  • 建物費・建物改修費:工場や店舗、倉庫等の建設・改修費用
  • 外注費:試作品の設計委託、検査・分析の委託など
  • 広告宣伝・販売促進費:新事業のPR、マーケティング費用
  • 知的財産権関連経費:特許や商標出願、ライセンス取得にかかる費用
  • 専門家経費:コンサルティングや事業計画策定支援など
  • クラウドサービス利用費:新事業に必要なSaaSやオンラインツールの利用料

このように投資対象の範囲は広いため、新事業進出に伴う設備投資や販路開拓を一気に進めたい企業にとっては大きな後押しとなります。ただし、交付申請後に計上していない費用(例:先に購入していた機械や改修費)は補助対象外となるので、計画段階から「どの経費を補助対象に含めるか」を慎重に整理しましょう。

2. 申請スケジュール・開始時期の最新情報

2-1. 第1回公募の日程と申請受付の流れ

新事業進出補助金の第1回公募は、2025年4月22日から始まりました。公募要領が公表され、6月頃(予定)から電子申請の受付がスタートし、2025年7月10日 18:00が締切とされています。審査期間を経て、採択結果は2025年10月頃発表見込みです。

申請から交付決定・事業実施までの大まかな流れは以下のようになります。

  1. 公募開始・公募要領公表(2025年4月22日)
  2. 電子申請受付開始(2025年6月頃)
  3. 公募締切(2025年7月10日 18:00)
  4. 書面審査 → 採択結果発表(2025年10月頃)
  5. 交付申請(採択後2ヶ月以内) → 交付決定
  6. 補助事業開始・実施期間(交付決定日から最長14ヶ月以内)
  7. 実績報告 → 補助金確定 → 受給

※申請はGビズIDプライムを利用した電子申請のみ受け付けられます。
GビズIDの取得には1週間~数週間かかる場合があるため、未取得の事業者は早めに申請しましょう。

2-2. 第2回以降の公募見通しと早めの準備の重要性

2025年5月時点では、第2回公募の具体的スケジュールは未公表です。しかし、前身である事業再構築補助金が年2~3回のペースで公募を行ってきた実績を踏まえると、新事業進出補助金も年内に複数回の募集が行われる可能性が高いと見られています。仮に2025年7月頃に第2回が始まり、秋頃に第3回、翌2026年初頭に第4回……といったイメージです。

ただし、予算枠が大きく消化されると公募回数が減る場合もあり、状況によっては早めの回で応募しておくほうがチャンスを掴みやすいとも言えます。いずれにしても最新情報は中小企業庁や事務局の公式サイトで随時アップデートされるため、こまめな情報収集を心がけましょう。

注意:本補助金への応募時には、

  • 事業所内最低賃金を地域最低賃金+30円以上にする
  • 一般事業主行動計画(ワークライフバランス推進の計画)の策定・公表

など、事前に整えなければならない要件があります。時間がかかる手続きもあるため、準備はお早めに。

3. 事業再構築補助金との違い

3-1. 両者の共通点と相違点

2021~2024年度に行われていた「事業再構築補助金」は、新型コロナ禍で落ち込んだ中小企業の再構築を支援する大規模な制度として注目を集め、累計約20万件もの応募がありました。その後継的な位置づけとも言われるのが、今回スタートした「新事業進出補助金」です。両者には以下のような共通点相違点があります。

共通点

  • 新分野への展開や設備投資を広く支援する
  • 補助率は中小企業で概ね1/2
  • 補助対象経費が幅広く、建物費・機械装置費・広告費・専門家経費なども含む
  • 審査で事業計画書の具体性売上・付加価値向上が重視される

相違点

  • 新事業進出補助金にはコロナ禍での売上減少要件が無く、より幅広い企業が申請しやすい
  • 事業再構築補助金は最大1.5億円(特別枠)など大規模投資も対象だったが、新事業進出補助金の上限は基本7,000万円(特例9,000万円)とやや小さめ
  • 新事業進出補助金は賃上げ要件(給与総額年平均+2.5%以上)や年平均4%の付加価値向上が必須で、将来志向の成長を重視
  • 公募枠が単一(特例除く)でシンプルな分、計画内容同士の競争がよりシビアになる可能性あり

3-2. 賃上げや付加価値向上の要件、補助額の違い

事業再構築補助金では、コロナ禍での売上減少が一部要件・加点になっていた一方、新事業進出補助金では売上減少要件が撤廃され、代わりに「新市場+付加価値向上+賃上げ」という3点セットが主軸になっています。

比較項目新事業進出補助金事業再構築補助金
補助金額上限・従業員規模に応じ2,500万~7,000万円
・大幅賃上げ特例時は最大9,000万円
・通常枠で2,000万~7,000万円
・グリーン成長枠など特別枠は最大1億~1.5億円
補助率一律1/21/2~2/3(枠や企業規模による)
主な要件・新市場進出(自社にとって新規製品・新規顧客層)
・付加価値額 年平均+4%以上
・賃上げ要件(給与総額+2.5%以上 etc.)
・コロナ禍で売上が一定以上減少(※当初要件・枠による)
・再構築指針に合致(業態転換、事業再編など)
・賃上げ加点や最低賃金枠等が随時設定

事業規模の大きい企業が大幅な投資をする場合は事業再構築補助金が魅力でしたが、これからは「コロナの売上減要件がなく」「新規事業への進出を目指す」企業にとって、新事業進出補助金のほうが応募しやすいでしょう。その反面、申請数の増加が見込まれ、採択率は高くはない可能性があります。審査に耐えうる質の高い事業計画を用意することが重要です。

4. 具体的な対象業種・取り組み事例

4-1. 新規市場への進出事例

新事業進出補助金では、自社の強みを活かしながらも、これまで踏み込んでいなかった市場・製品分野に挑戦することが重視されます。たとえば次のような事例が考えられます。

  • 精密機械加工業 → 半導体部品製造
    従来は自動車向け部品を手掛けていたが、成長が期待される半導体分野に特化した新部品を開発し、高精度ニーズのある顧客に販売。
  • 医療機器メーカー → ウイスキー製造
    衛生管理や金属加工の技術を転用し、蒸留設備を導入してウイスキー製造へ参入。高付加価値なクラフトスピリッツブランドを立ち上げる。
  • 飲食店 → テイクアウト&デリバリー事業
    店舗中心のビジネスから、家庭向け惣菜や冷凍食品の製造・EC販売に進出。新たな顧客層を開拓し、売上増とリスク分散を図る。
  • 国内向けメーカー → 海外輸出開拓
    日本国内だけでなく、海外向けに製品をローカライズして販売。新規の国・地域の顧客を狙うことで市場を大幅に拡大。

いずれの場合も、「なぜその新市場を選んだか」「自社の技術やノウハウとのシナジーは何か」を明確に示すことがポイントです。

4-2. 高付加価値化での展開例

高付加価値化も本制度のキーワードです。既存事業の延長というよりは、価格帯や顧客層が全く異なる領域への挑戦が期待されています。例としては:

  • 製造業(安価な部品供給) → 自社ブランド製品の直販
    OEM中心から脱却し、高価格帯の完成品を企画・製造・販売まで一貫して行う。
  • 伝統工芸品 → 高級ライン投入
    中価格帯メインだった工芸品を、高度なデザイン性・希少価値を追求して高級路線に転換し、新たな顧客層(富裕層・海外市場)にアピール。
  • IT企業 → AIソリューション開発
    受託開発から一歩踏み出し、自社開発のAIパッケージ製品をリリース。サブスクで継続的収益を狙う。

「自社にとって未開拓の市場」である点が重要で、同じ顧客層・同じ製品ラインへの追加投資のみでは「新事業進出」とみなされない可能性があるため注意しましょう。

5. 採択率を高める申請書類作成のポイント

新事業進出補助金に応募する際、事業計画書のクオリティが採択のカギを握ります。ここでは、過去の補助金(事業再構築補助金等)でも実績のあるコンサルタントや認定支援機関が指摘する、申請書作成時の主な成功パターンを紹介します。

5-1. 審査基準の理解と事業計画への落とし込み

公募要領には審査基準として、事業の新規性や市場性、実現可能性、収益見通し、政策(賃上げ・付加価値向上)との整合性などが明記されています。これらをすべて満たすよう計画書を作り込むことが最優先です。たとえば:

  • 新規市場の需要予測や競合分析を具体的数字で示す
    (例:「市場規模○○億円、主要競合は△社。当社は◎◎の強みで差別化」など)
  • 付加価値額や給与総額の年平均増加率を算出し、その根拠となる売上・経費計画を整合させる
    (例:「3年後の付加価値額=営業利益○○+人件費○○+減価償却費○○」)
  • 設備導入や広告展開による売上見込みが具体的
    (例:「機械導入で月産量が○%向上→売上○百万円上乗せ」)

5-2. 加点項目の活用

新事業進出補助金では、該当する企業に加点が付与されるケースがあります。たとえば:

  • パートナーシップ構築宣言企業である
  • 子育て支援企業認定(くるみん)女性活躍推進企業認定(えるぼし)を取得
  • 事業承継関連の取り組みを行っている
  • 健康経営技術情報管理認証の取得

いずれも申請書で証明書類やURLを添付するなど、確実に申告しておきましょう。加点があると採択率が高まる傾向があります。

5-3. 新市場調査・賃上げ計画の具体化

  • 新市場調査:SNSや業界紙、競合他社の動向などを活用して、顧客ニーズや市場規模をなるべく定量化。単なる「伸びそうだから」ではなく、具体的なデータを示す。
  • 賃上げ計画:人件費の増額分がどの程度必要か、どのように確保するか、新事業の売上見込みとの関連性をロジカルに示す。給与総額が本当に年平均+2.5%実現できるのか根拠を示すことが大切。

5-4. 不備ゼロの提出・専門家活用のメリット

過去の補助金でも、書類不備による失格が少なくありませんでした。特に今回も「一般事業主行動計画の公表」「賃上げ要件の根拠資料」「認定支援機関との連携」など書類が多岐にわたります。必ずチェックリストを作って抜け漏れを防ぎましょう。
また、認定支援機関(商工会・商工会議所・金融機関・中小企業診断士など)からアドバイスを得ると、計画内容のブラッシュアップや不備の最終確認が期待できます。採択率アップを狙うなら専門家のサポート活用も選択肢に入れる価値があります。

6. まとめ:自社の強みを活かし、新分野へ挑戦しよう

新事業進出補助金は、2025年から新設された制度とはいえ、その背景や仕組みは事業再構築補助金の後継として位置づけられ、実質的に「ポストコロナ期の成長投資支援」を目的としています。

  • 既存事業だけに頼らず、新たな市場や製品分野を開拓したい
  • 設備投資や広告宣伝、専門家活用などにまとまった資金が必要
  • 付加価値を高め、賃上げもしっかり行って従業員のモチベーションを向上させたい

そんな企業にとって、本補助金は最大9,000万円の後押しを得られるチャンスです。ただし、前章で述べたように応募数が多ければ競争率も高くなることが予想されます。成功のカギは、しっかりとした計画書づくり期限前の周到な準備です。

以下に、申請に向けたチェック項目を簡潔にまとめます。

  1. GビズIDの取得:電子申請には必須。申込に時間がかかるため早期着手がベター。
  2. 新事業の定義・要件をクリア:自社が本当に未開拓の市場か、付加価値額年平均+4%が妥当か確認。
  3. 賃上げ計画と最低賃金要件:給与総額の伸び率、事業所内最低賃金+30円を実現できるか試算。
  4. 事業計画書の精度アップ:競合分析、収益シミュレーション、投資効果を数字で示す。専門家に相談するのも有効。
  5. 提出書類の不備防止:一般事業主行動計画の公表や加点項目書類など、抜け漏れを徹底チェック。

「新事業進出補助金」を活用すれば、中小企業が大胆に新分野へ踏み出すハードルを大幅に下げられます。ぜひ自社の強みやノウハウを活かせる新規市場を探り、補助金と合わせて事業を拡大してみてください。成功すれば売上や利益はもちろん、従業員のやりがいも大いに高まるでしょう。

参考情報について

  • 公式情報の参照
    本記事の情報は2024年12月以降に公表された公式資料や政府関連サイトの内容をもとに作成しています。ただし、各種スケジュールや要件は変更される場合もあります。必ず中小企業庁や事務局の公式サイトで公募要領を確認し、最新情報を入手してください。

注意:補助金申請にあたっては自己責任での判断が必要です。要件を満たさない場合や書類に不備がある場合、補助金の不採択や返還リスクが生じる可能性があります。必ず正式な公募要領および事務局のアナウンスに従ってご準備ください。

まとめ

「新事業進出補助金」は、自社の強みを活かして未開拓の市場へ進むための設備投資や販路拡大、専門家活用などをサポートしてくれる制度です。コロナ禍で売上が減っていなくても申請可能で、上手く活用すれば最大9,000万円の支援を受けられる大チャンス。ただし要件として賃上げ計画や付加価値の年平均+4%といった将来志向のハードルが設定されており、事業計画書の完成度が採択可否を左右します。

ここがポイント

  • 既存事業と異なる新市場・新製品であることを客観的データで示す
  • 賃上げや付加価値向上の道筋を数値根拠と合わせて明確に説明
  • 提出書類・要件を事前に把握して不備を防ぎ、締切前に十分余裕をもって電子申請する
  • 必要に応じて認定支援機関や専門家の力を借りる

新しい市場へ踏み出し、事業を拡大したいと考えている経営者にとって、2025年の新事業進出補助金は見逃せない制度です。ぜひ本記事を参考に、早めの情報収集と入念な事前準備で採択を目指してください。補助金を活かして企業が大きく飛躍し、付加価値の高いビジネスを築けるよう、当サイト(HOJOLAB)も引き続き最新情報を追いかけていきます。

  • この記事を書いた人

Kingsman

AI × マーケティング ストラテジスト/補助金活用アドバイザー

兵庫県神戸市を拠点に、

  • IT導入補助金やものづくり補助金を中心とした申請サポート(累計採択額1億円超)
  • AI活用講座やSEOメディア構築コンサルティング
  • 生成AI・RPA導入支援

など、最新テクノロジーと公的支援制度を融合させた事業支援を実施。

「企業の成長コストを最小化する」をミッションに、中小企業のデジタル化・売上拡大をサポートしています。

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